涙をのんだ2日のロッテ戦後。ソフトバンクの柳田は「僕がもっと打てば優勝していた」と漏らした。その悔しさを晴らすように、CSで2試合連続アーチ。前日はリードを広げる3ラン、この日は34歳の誕生日を自ら祝うグランドスラムを放った。 三回2死満塁の好機で打順が巡ってきた。初球のスライダーを特大のファウルにした後、相手バッテリーは2球目もスライダーを選択した。低めに来た球に体勢を崩されたが、好調時の柳田はこのコースでもすくい上げる。ライナー性の打球は右翼テラス席へ。「駄目かなと思って打ったけど、良い結果になった。奇跡です」と笑った。 体の状態は万全ではない。9月30日の楽天戦で首付近を痛め途中交代。それでも翌日から試合に出続け、今月の4試合で4発。押しも押されもせぬ主砲として、自覚十分の働きを見せている。 2連勝で西武を退け、難敵オリックスへの挑戦権を得た。山本をはじめ強力投手陣が立ちはだかるが、藤本監督は「ホークスの良い打線をしっかり見せられるように」と気合を入れた。日本シリーズ進出には、柳田の勝負強さは欠かせない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕3回、先制の満塁本塁打を放つソフトバンクの柳田=9日、ペイペイドーム