26年ぶりのリーグ連覇に向け、勝利が絶対条件だったオリックス。敵地で楽天に競り勝ち、ソフトバンクが敗れたため、143試合目に逆転。選手らはグラウンドで歓喜に酔いしれた。 試合は中盤に動いた。先発の田嶋が四回に無死満塁のピンチを招いたところで比嘉にスイッチ。2点を失ったが、ここで3番手の宇田川が踏ん張った。一、二塁のピンチを無失点。その後は救援陣が踏ん張った。 打線は五回に1点を返し、なお無死満塁で福田が左翼線に運ぶ逆転の2点打。「何とか食らい付いて走者をかえしたいと思っていた」。終盤に2軍降格の悔しさを味わったリードオフマンが大一番で意地を見せた。 シーズン序盤は散々だった。主力の不調にチームを襲ったコロナ禍。一時は首位と10ゲーム以上も離された。それでも諦めなかった。山本、宮城ら投手陣がチームをけん引。野手では昨季の優勝に貢献できなかった中川圭、頓宮が欠かせぬ存在となった。しぶとく、チーム全員で勝ち切る。この日の勝利も今季の戦いぶりを示しているようだった。 最終戦にわずかに連覇への望みをつなぎ、中嶋監督は「可能性があるのなら最後まで諦めずにいきたい」と話していた。その言葉通り、劣勢になっても諦めなかった昨季の覇者が、再びパ・リーグの頂点に立った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕パ・リーグ優勝が決まり、喜ぶオリックスの選手ら=2日、楽天生命パーク 〔写真説明〕5回、逆転の2点適時打を放つオリックスの福田(左から2人目)。左端は楽天先発の田中将=2日、楽天生命パーク 〔写真説明〕5回、福田(手前)が逆転の2点適時打を放ち、喜ぶオリックスの選手=2日、楽天生命パーク