1930年に始まったサッカーのワールドカップ(W杯)で、得点王に2度輝いた選手はいない。イングランド代表FWで主将のハリー・ケーン(トットナム)は、初出場した2018年ロシア大会で6得点を挙げて獲得。「サッカーの母国」が優勝候補に挙がるカタール大会で、歴史に名を刻む戦いに挑む。 前回大会はチュニジアとの1次リーグ初戦で2得点し、続くパナマ戦で圧巻のハットトリック。コロンビアとの決勝トーナメント1回戦ではPKを決め、チームの28年ぶりの4強入りに貢献した。 こぼれ球への反応やゴール前での位置取りに優れ、決定力は抜群。188センチの長身を生かした空中戦の強さも備え、万能型センターフォワードだ。リネカー、オーウェンら数々の名選手が生まれたイングランド代表で、国際Aマッチ73試合で歴代2位の通算50得点(8月末時点)。29歳にして、あと3点に迫るトップのルーニーを超えるのは時間の問題だろう。 イングランド・プレミアリーグで3度の得点王に輝き、昨季も17得点と絶頂期で迎える今大会。1966年の地元イングランド大会を制し、8日死去したエリザベス女王から授与されて以来となる優勝トロフィー奪還の期待を背負う。 昨年の欧州選手権は準優勝。「この4年間、ハードルを乗り越えてきた。重圧の中でも力を発揮できると分かった」。地元メディアに語った言葉は、自信に満ちている。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕W杯連続得点王を狙うイングランドのエース、ケーン(手前)=2021年10月12日、ロンドン(AFP時事)