甘い球を確実に捉える技術と集中力が、ヤクルトの村上にはある。二回に53号の先制ソロ。ヤクルトの監督も務めた野村克也(南海)、落合博満(ロッテ)の52本を抜き、シーズン本塁打数の歴代単独6位。王貞治(巨人)が持つ日本選手最多の55本まであと2本に迫った。  1ボール1ストライクからの3球目。スライダーの軌道にうまくバットを合わせると、打球は勢いよくバックスクリーンへ。「何とか先に点を取って、勢いを付けたかった」。打った瞬間に本塁打と確信する手応えだった。  7日の阪神戦では3打数無安打と、久々に封じられた。ただ、8月以降、出場した試合で2試合続けて無安打だったことはない。8月は打率4割4分、12本塁打で、リーグ史上3人目の月間MVP3カ月連続受賞。シーズン終盤に入り、さらに調子を上げている。  今月2日に50号に到達。それからは、1本打つごとに歴代の強打者と肩を並べる花道を行く。「追い付け、追い越せ、とやっていきたい思いがあり、すごく光栄」。若き大砲がまた一つ歴史を刻んだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕2回、ヤクルトの村上が53号先制ソロ本塁打を放つ=9日、神宮
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 村上、甘い球逃さず53号=王の最多記録にあと2本―プロ野球・ヤクルト