試合の決着をつけたのは、オリックスの5年目、西村だった。今季初安打が逆転打となった。楽天の絶対的抑え、松井裕を打っただけに価値は大きい。 1点を追う九回2死一、二塁。小谷野野手総合兼打撃コーチからの「小細工なしで自分のやってきたことを出せばいい」という助言で、打席では落ち着いていた。2球目のフォークを捉えた右中間への打球は、前進していた外野手の頭上を越えて2点二塁打に。「打った時にはよっしゃ、と。素直にうれしかった」と喜んだ。 1軍戦の出場は今季5試合目。これまで「力み過ぎていた」そうで、打撃で結果を残せず、悔しさを募らせていた。「その打席が全て、くらいに思ってやっている。打ち取られたら全部悔しいし、打てばうれしい」。ひたむきな思いが、大事な場面で実った。 現在チームは3位。伏兵の活躍で、小差で追ってくる4位楽天との差を広げ、首位西武には2.5ゲーム差に迫る。水本監督代行は「ファームからも推薦があった。本当にいいところで打ってくれてよかった」と、手放しでたたえた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、逆転の2点二塁打を放ち、喜ぶオリックスの西村=30日、楽天生命パーク