米大リーグのマリナーズが、21年ぶりのプレーオフ進出へ好機を迎えている。安定した投手陣とリーグ最少の失策数(28日現在)を誇る守備力を武器にワイルドカード争いへ。チーム一丸で戦う姿に、本拠地シアトルの声援も熱を帯びてきた。 昨季の菊池雄星まで、日本選手11人が24季連続でロースターに名を連ねてきたマリナーズ。しかし長期低迷に苦しみ、プレーオフ進出は昨季まで45年の歴史で4度のみ。イチローさんがメジャー1年目でブレークし、大リーグ記録に並ぶ116勝を挙げた2001年を最後に遠ざかっている。 今季は一時借金10を抱えたが、7月初旬から14連勝と息を吹き返した。チームの士気の高さには、球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチローさんも太鼓判。「僕なりのアプローチで、これからもマリナーズの力になれるように頑張りたい」と言うレジェンドのサポートも心強い。 チームの象徴は新人のJ・ロドリゲス。オールスター戦に出場し、球団と大型契約を結んだばかりの21歳は「優勝をもたらしたい。街のため、ファンのために勝ちたい」。敬愛するイチローさんの球団殿堂入り式典があった27日に本塁打を放つなど、スター性も抜群だ。 今季はプレーオフの出場枠増加に加え、所属するア・リーグ西地区はアストロズを除くライバル球団が不振。チームに追い風が吹く中、サービス監督は「白星は一度にたくさん増えない。その日の試合に集中することが一番大切」。プレッシャーがかかる終盤戦を冷静に見据えている。 (シアトル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕ガーディアンズ戦で延長11回にサヨナラ打を放ったハニガー(手前左)を祝福するマリナーズナイン=26日、シアトル(AFP時事) 〔写真説明〕ガーディアンズ戦で本塁打を放ったマリナーズのJ・ロドリゲス=27日、シアトル(AFP時事)