0―0の投手戦を打ち破ったのは、20歳の中日の岡林だった。六回2死三塁で右前打。お立ち台で「いつも柳さんから頼むぞと言われているので、打ててよかった」と笑顔を見せた。 阪神の新人森木を打ちあぐね、迎えたこの回。普段は積極的に打つが、「相手の方が苦しい状況」とじっくり待った。バットを振らずに3ボール、1ストライクとし、真ん中の152キロを一、二塁間に打ち返した。「絶対に甘い球が来ると思った」。その後は今季17個目の盗塁も決め、追加点につなげた。 新型コロナウイルス陽性で離脱した大島に代わり、12日からは1番を打つ。大島が戻ってきた26日にはプロ初の4安打2盗塁をマークするなど、打って走って躍動。「後ろ(2番)に大島さんがいることで安心感がある」と思い切りプレーできる要因を口にする。 高卒3年目で初めてシーズンの規定打席に到達。打率は2割8分6厘まで上げ、3割も夢ではない。「この勢いのままシーズン終了まで突き進みたい」。口調に自信がみなぎってきた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕6回、先制の適時打を放つ中日の岡林=28日、バンテリンドーム