頼れるエースが戻ってきた。今月上旬に新型コロナウイルス陽性判定を受けたソフトバンクの千賀が、復帰登板で6回無失点。「帰ったらチームの力になりたいと思っていた」。役割を全うし、胸をなで下ろした。 力強い150キロ台の直球と落差の大きいフォークはこれまでと変わらなかった。一回に158キロを計測して健在ぶりを示すと、二回はフォークを決め球にして空振り三振を三つ奪った。 2軍での調整登板を1度こなしただけでもあり、80球がめどだった。目標としていた6回を76球で投げ切り、9三振を奪った。これで9勝目。「クリアしたいポイント」だった7年連続2桁勝利にもあと一つと迫った。 コロナ療養中は「とにかく早い段階で戻るイメージ」を持って自身の体と向き合った。本人も納得の準備ができ、その結果、この日は隔離期間が明けてから、まだ「10日目くらい」。早期復帰につなげた。 約1カ月ぶりの先発で、2位と小差で首位に立つチームの勝利に貢献し、「ひとまず、ほっとしている」。優勝には、千賀の存在が欠かせない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕今季9勝目を挙げたソフトバンク先発の千賀=28日、札幌ドーム