【ロンドン時事】女性アスリートが生理に関する悩みや経験を打ち明け、情報を共有するケースが近年増えている。陸上のディナ・アッシャースミス(英国)は連覇が懸かった16日の欧州選手権女子100メートル決勝で、ふくらはぎにけいれんを起こして8位に終わった。「女性特有の問題」が原因と語り、生理が競技に与える影響や対策の研究が進むことを求めた。 26歳のアッシャースミスは2019年世界選手権で200メートルを制し、100メートルは2位。欧州選手権は前回18年大会で短距離3冠と実績がある。今大会の100メートル決勝は好スタートを切ったが、30メートル付近でスピードを緩めた。19日の200メートル決勝は2位に入った。 アッシャースミスは英メディアに対し、生理について「スポーツにおける女性にとって大きなトピック」と強調した。好調だった選手が突然調子を落とし、陰で苦しむ姿を見てきたという。「スポーツ科学の観点から、より多くの人々が研究する必要がある。これが男性の問題であれば、いくらでも対処法を持っているはずだ」と訴えた。 今年行われたテニスの全仏オープンでは、19歳の鄭欽文(中国)が女子シングルス4回戦で世界ランキング1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)に敗れた後、生理痛で本来のプレーができなかったと明かした。 シフィオンテクは自身も月経前症候群(PMS)の問題を抱えていたとして、「キャリア初期は、それをうまく管理するのがとても難しい場合がある」。悩みを口にするかどうかは選手次第としながら、「私たちが直面している問題。それを話してくれるのはとてもいいことだと思う」と鄭の姿勢に共感を示した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕欧州選手権の陸上女子200メートル決勝で2位に入ったアッシャースミス(右)=19日、ドイツ・ミュンヘン(EPA時事)