阪神の藤浪から、素直な喜びがあふれた。今季初白星を挙げ、「先発で勝つのが自分の中で一番いいことというか、心地いい」。 立ち上がりから力みのないフォームで切れのある球を投げ込んだ。150キロ台中盤の直球と140キロ台後半のスプリットを軸にアウトを重ねた。 四回と五回は先頭に二塁打を許しながらも、リズムを乱さずに後続を断った。六回は丸にソロを打たれた後、続く中田をスプリットで遊ゴロ、岡本和は外角のカットボールで空振り三振に仕留めた。「ちょっとした修正を加えながら粘って試合をつくれた」と納得した。 新型コロナ陽性の青柳に代わって開幕投手を務めたが、その後2試合は先発の責任を果たせなかった。自身も4月にコロナで離脱。5月末に復帰しても先発ローテーションに戻れないでいたが、「メンタル的に波がなく、いいシーズン」と捉えていた。8月に再び先発機会が巡ってくると、2試合で好投し、この日も7回1失点、四死球なしの安定感を見せた。 矢野監督は「1(勝)がつくのは晋太郎にとってもチームにとっても大きい」。待ちわびた右腕の白星が持つ意味を強調した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕今季初勝利を挙げた阪神先発の藤浪=20日、東京ドーム