試合終了の笛に、磐田の面々はぼうぜんとした表情を浮かべた。前節の浦和戦で6失点の大敗。監督交代に踏み切ったものの、悪い流れは止まらなかった。初陣だった渋谷監督は「とても悔しい」。言葉を絞り出した。 開始から人にもボールにも厳しく寄せた。無難な立ち上がりと思われたが前半19分、名古屋のマテウスに止めようもないスーパーゴールを決められて失点。運にも見放された最下位チームに悲哀が漂う。無失点のまま時間を進めるプランは崩れた。 追い付こうにも、攻撃の組み立ての段階でミスが出る。パスの出し手と受け手の呼吸が合わない場面が散見。名手の遠藤は時折高い位置を取って打開を図ったが「チャンス自体が少なかった。そこは課題」と厳しい表情。 残り8戦。下位は混戦模様とはいえ、渋谷監督が残留ラインとみる勝ち点40には遠い。「まだ(残留は)手が届く。下を向かずにやっていくしかない」と遠藤。次戦は9月3日と期間が空く。新監督の戦術を落とし込み、浮上を図れるか。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、指示を出す磐田の渋谷監督=19日、豊田スタジアム