上位争いに食らい付きたいチームを鼓舞する投球だった。楽天の則本が7回1失点で6月28日以来の白星。ヒーローインタビューでは「ほっとしている」。短い言葉に実感を込めた。 自身5連敗中で上がったマウンド。一回に先制ソロを浴びたが、「ここで何とか踏ん張れば大丈夫」と気持ちを切り替えた。その後は持ち前の速球と鋭く曲がるスライダーを武器に危なげない投球。唯一得点圏に走者を背負った六回2死二塁では、古川裕を150キロで空振り三振に仕留めた。 序盤は首位を快走したチームだが、その後はじわじわと貯金を減らした。自身が勝てなかった時期とも重なり、「迷惑しか掛けてこなかった」。抱えていたふがいなさを晴らす1勝にもなった。 石井監督は「則本がしっかりやってくれないとうちのチームは回っていかない。良い投球をしてくれるとチームもまた走りだす」と信頼を口にする。則本の好投を上昇のきっかけにしたい。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕7回を投げ終えてベンチに戻る楽天先発の則本=16日、札幌ドーム