1―1の後半ロスタイム。目安の8分は既に過ぎていた。川崎は右サイドから家長が左足で正確なクロス。ジェジエウが頭で合わせた豪快なシュートは左ポストに当たり、ゴールに吸い込まれた。歓喜に沸くスタンドへ飛び込んだ殊勲者は「終了間際は全身がつっているような感じだった。サポーターと一つになって戦えた」。 実際、最終ラインで奮闘していたジェジエウは、数分前に足をつったため、山村と入れ替わって前線に上がっていた。左膝に重傷を負い、リハビリを経て前節約9カ月ぶりに戦列に復帰したばかりの長身DFが最後のパワープレーで仕留めた。 直近は新型コロナウイルス禍にも苦しみ、首位の横浜Mと引き分けでも3連覇が厳しくなる状況だった。鬼木監督は「気持ちの強さを見せて勝てたことは、ここからの戦いに大きな変化が出るのかなと思う」。息を吹き返す1勝になることを期待した。 2試合消化が少なく、勝ち点差は8。「首の皮一枚つながった。(横浜Mは)これから負けるチームじゃないと思う」と家長。追い付き、追い抜くには、勝ち続けて重圧をかけるしかない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕横浜Mに勝利し、喜ぶ川崎のジェジエウ=7日、等々力