ファンの思いを乗せて、打球が高々と舞い上がった。西武の中村が九回1死から、3年ぶり5度目となるサヨナラ本塁打。チームメートから祝福の水を浴びせられ、「すごくうれしかったけど、きょうは気温があまり高くないので寒い」と独特の言い回しではにかんだ。 6月5日に右手親指を痛めた影響もあり、打撃不振で悩んでいたが、「下半身というか、足の使い方がおそろかになっていた。そこに気付けたのがよかった」。前夜に大飛球を放つなど調子が上がってきた実感があった中で、この日の四回には5月14日以来の一発となる先制の5号2ラン。気分良く臨んだ九回の打席で、ワゲスパックの155キロの直球を見事に捉えた。 チームは劇的な勝利で3連勝を収め、首位をがっちりキープ。「すごく良い雰囲気。僕もその流れに乗って、良い打撃ができるように頑張っていきたい」。今季初めて1試合2本塁打を放った38歳がこれからもアーチを描き続ければ、西武の勢いは止まりそうにない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、サヨナラのソロ本塁打を放つ西武の中村=4日、ベルーナドーム 〔写真説明〕オリックスに勝利し、ガッツポーズする西武の中村(左)と水上=4日、ベルーナドーム