緊急事態に見舞われた。川崎はチーム内で新型コロナウイルス陽性者が相次ぎ、浦和戦の控えはわずか5人でそのうち3人がGK。異例の編成で臨み、「難しい状況で少しナーバスになっていた」と鬼木監督。開始から相手の圧力に押され、前半17分までに2失点を喫した。 先発は長時間の出場が前提。体力温存のためか足元でのつなぎが多く、うまく前進できない。それでも後半はボール保持から徐々にリズムをつかみ、マルシーニョらが果敢に相手の背後を突いた。だが、反撃はPKによる1点にとどまり「どんな状況でも戦えることを表現したかった」と橘田。 出番はなかったものの、控えGKの安藤と早坂はフィールド選手用のユニホームで待機。異様な雰囲気に平常心を保つ難しさもあったはずだが、リーグ戦では浦和に4年ぶりの敗戦。2試合消化が少ないとはいえ、首位の横浜Mとの勝ち点差は11に開いた。「絶対に下は向かない」と谷口。3連覇が遠のき、言葉を絞り出した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕浦和に敗れ、肩を落とす川崎イレブン=30日、埼玉