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パリで100年ぶりに開催される五輪。選手村はメインスタジアムのあるサンドニなど三つの自治体にまたがるパリ北部郊外に建設中で、大会後はオフィスや住宅として再利用される予定だ。
大半の競技会場が選手村から半径10キロ圏内の「コンパクト五輪」。初採用のブレイクダンスはコンコルド広場、馬術や近代五種はベルサイユ宮殿、ビーチバレーはエッフェル塔下の仮設会場で行われ、世界的な観光名所も熱戦の舞台となる。
問題も生じている。バスケットボール1次リーグの会場は、当初予定していたパリの施設が天井が低いなどと選手から批判を浴び、パリから北に約200キロ離れたリールに場所が変更された。オープンウオーターやトライアスロンのスイムを実施するセーヌ川は、水質を心配する声が上がる。
サンドニで5月に行われたサッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝では、偽造入場券を持ったファンが入場口に殺到。治安当局が催涙スプレーを噴射し、負傷者が出て試合開始が遅れる混乱を招いた。夏季五輪史上初めてスタジアム外で実施する開会式は60万人の観客動員が見込まれており、警備や運営面への不安は根強く残る。
約1000万枚のチケットは全てオンラインで販売され、年末から抽選受付が始まる予定。「オープン」「市民参加型」をコンセプトに掲げる祭典。残り期間でどこまで機運を高められるか。 (了)
【時事通信社】
〔写真説明〕サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝前に、フェンスを越えて会場に入ってきたサポーターに対処する警察=5月28日、パリ郊外サンドニ(AFP時事)