貴景勝はうるさい翔猿を問題にしなかった。張り手も交えて懐に入れさせず、相手が体勢を崩したところをはたき込んだ。「あまり覚えていない」と振り返ったが、冷静な取り口だった。 5月の夏場所は千秋楽で辛くも勝ち越した。今場所は賜杯争いに1差で食らい付き、八角理事長(元横綱北勝海)は「千秋楽までついていくことが条件だが、久しぶりにチャンスなんじゃないか」と期待。本人は「一生懸命やり切るだけ。また集中したい」と気を引き締めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕貴景勝(右)は翔猿をはたき込みで下す=20日、愛知・ドルフィンズアリーナ