高津監督が新型コロナウイルス感染で離脱し、松元作戦コーチが監督代行となって6試合目。ようやく白星を手にした同コーチは、「負けが続いて苦しかった。でも選手たちは毎試合、全力プレーで積極性があった」。勝利を記念するウイニングボールを、照れくさそうに握りしめた。 連敗を止めた立役者となったのが、7年目右腕の小沢だ。直球をきっちりコースに決め、緩急も駆使して6回無失点、7奪三振の好投。「僕自身、もっとアピールしていかないといけない立場」。3日にプロ初勝利を挙げたが、5回3失点。今回は自らの力で勝ち取ったと言える。 2016年にドラフト2位でソフトバンクに入団したが、登板は2試合にとどまり実績を残せなかった。昨年ヤクルトの育成選手となって選手生命をつなぐと、秋には活路を求めて横手投げに変えた。高低差の制球が改善し、今年6月に支配下契約を勝ち取った。 小沢だけではない。プロ初打点に猛打賞と活躍した3年目の武岡は、「チームは本当にピンチだけど、僕にはチャンスでしかない」と言う。1軍定着を目指す新たな力が、苦境のヤクルトに光をもたらした。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ヤクルト先発の小沢=19日、神宮