圧巻の一発だった。ヤクルトの村上がリーグトップに並ぶ17号ソロで決勝点をたたき出した。 エース同士が投げ合い、1―1で迎えた四回先頭で打席へ。千賀に対し、3ボールから直球をファウルにした直後。内角低めの難しいコースに来た157キロを捉え、逆方向の左翼へ運んだ。「タイミングが遅れないように、しっかり取ることを意識した。コンパクトに打つことができた」と自賛した。 高津監督も「ワンスイングで1点を取ってくれて、けちをつけるところがない」と褒めちぎった一撃。一回にも先制点につながる右前打を放ち、4番の仕事を果たした。 出身地の熊本県に近い福岡ペイペイドームでの試合には特別な思いがある。子どもの頃に初めてプロ野球観戦をした球場で、昨季は3試合で2本塁打。「今年も打ちたいなと思って打てたのでよかった」。訪れた知人の前での活躍を喜んだ。 11日に勝てば、チームの4年ぶり2度目の交流戦優勝が決まる。「毎試合、勝ちたいと思っている。その積み重ね」。22歳の主砲はどっしりと構えた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕4回、勝ち越しのソロ本塁打を放つヤクルトの村上=10日、ペイペイドーム