今月の4連戦で、W杯最多5度の優勝を誇るブラジルとの一戦は別格。多くの選手を試したパラグアイ戦から一転、日本はW杯本番を強く意識して戦う。8強以上を目指す本大会に向けた試金石となる。 アジア最終予選とは違い、ブラジル相手に簡単にボールは保持できない。スタイルこそ違うがW杯1次リーグで当たるドイツ、スペイン戦にも通じる部分があり、森保監督は「限界を超えるトライをしないといけない」。 カギを握るのは、ボールを奪った後だ。いかにして失わずに、的確な判断で広いスペースに運べるか。攻撃の狙い目となるのは、伝統的に攻撃的な両サイドバックの背後だろう。伊東、南野の積極的な仕掛けから活路を見いだしたい。 「失点をせずに最初の勢いをどう止めるか」。吉田が指摘するように、直近4試合は前半20分までに先制された。いずれの試合でもゴールを決めたネイマールや、レアル・マドリードの欧州制覇に貢献したビニシウスら前線の選手とは1対1の局面を減らし、組織的な守りで耐えたい。 ブラジルのチチ監督は、4年前のW杯ロシア大会を振り返り「日本がベルギーに勝っていたら相手はブラジルだった。W杯にふさわしい2チームが対戦する」。新しい「国立」で臨む初のAマッチ。過去12戦未勝利の相手に本物の強さを体感できる。真っ向勝負を挑んでこそ、収穫と課題をあぶり出せる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジル戦を翌日に控え、吉田(右)と言葉を交わす森保監督=5日、国立競技場