阪神は終盤に8点を奪って大勝したが、流れを呼び込んだのは、六回までの足を使った攻めだった。 制球が良く、スプリットも切れるシューメーカーの攻略に苦労したが、2点を追う四回に機動力を生かして崩し始めた。無死一塁から中野の二塁内野安打でスタートを切っていた近本が三塁へ。中野は「近本さんと自分が塁に出てかき回すのが阪神の野球」。続く佐藤輝の初球で二盗を決めると、悪送球で近本が生還した。 中野は六回も安打で出て二盗を決め、佐藤輝の左前打で同点のホームを踏んだ。「後ろがテルということで変化球が増えることもある。自分のタイミングでしっかり走れればいい」。投手が代わって一挙6点を挙げた七回には、粘って8球目を2点中前打にした。 矢野監督も六回を高く評価し、「テルがしぶとく打って追い付いた。足を絡めながらいい攻撃をつくれた」。このところは接戦で投手陣が粘り、打線が応える展開に持ち込めている。まだ借金は11あるが、5連勝で3カード連続の勝ち越しを決め、勢いに乗っているのは確かだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕7回、阪神の中野が2点適時打を放つ=30日、東京ドーム