九回、投手交代のアナウンスが告げられた。八回まで一人の走者も出さず、102球。あと1イニングで史上初の2試合連続完全試合達成の可能性もあったが、ロッテの佐々木朗は「チームが勝つための交代。自分の仕事はできた」と納得した。 1週間前に史上最年少で快挙を成し遂げ、注目を浴びて向かったマウンド。「投手の仕事は点を取られないこと。僕の中では打たれても別にいい」と気負いはなかった。一回から直球とフォークを駆使してアウトを重ねていく。「前回よりもコントロール、球質は良くなかった」そうだが、二回には清宮、近藤を連続三振。今季初登板から続く連続イニング奪三振を、日本人投手として最長タイの25回に伸ばした。 八回2死、野村が流し打った打球が右翼線を襲った。観客がどよめく中、判定はファウル。ひやりとする場面でも、「僕はファウルと思った」と冷静。最後はこの日最速タイの163キロの直球で見逃し三振に仕留めた。井口監督は「素晴らしかった。先を考えると、きょうはあそこが限界」。100球を超えた球数を考慮し交代を決断した。 14個の三振を奪い、4試合連続2桁奪三振。満員の観客を集め、「選手としてすごくうれしい。毎試合そういう形になれるように頑張りたい」と次の登板に目を向けた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するロッテ先発の佐々木朗=17日、ゾゾマリン 〔写真説明〕2回、三振を奪ったロッテ先発の佐々木朗に向かって、満員のスタンドで掲げられる「K」マーク=17日、ゾゾマリン 〔写真説明〕一人の走者も出さず8回を投げ終え、降板したロッテ先発の佐々木朗=17日、ゾゾマリン 〔写真説明〕8回を終え、グラウンドを見詰めるロッテの井口監督=17日、ゾゾマリン