陸上男子の日本高校記録を3種目で樹立した佐藤圭汰が京都・洛南高から駒大に進学し、新たな一歩を踏み出す。3月29日に東京・駒沢陸上競技場であった競技会では1500メートルに出て、高校のユニホームでラストラン。今季は同種目に絞り、7月の世界選手権(米オレゴン州)出場を目指す。 佐藤は昨年、1500メートル、3000メートル、5000メートルの高校新記録を立て続けにマーク。駅伝の名門、駒大に入学する前から寮に入り、走り込みを重ねてきた。 駒大の大八木弘明監督も見守った競技会。寒さの影響もあり、「思った以上に最初から体が動かなくて、緊張もしていた」と佐藤。満足のいくラストスパートができず、3分37秒18の自己ベストから6秒以上も遅れた。「そんなに甘くはなかった」と悔しさを味わった。 世界選手権の男子1500メートルの参加標準記録は、日本記録を0秒42上回る3分35秒00。この種目の日本勢の出場は2007年大会の小林史和が最後だが、「世界の舞台で決勝に残り、戦える選手になりたい」。そう大志を抱く18歳は、高い壁を越える意欲に燃えている。 日本陸連からは、国際大会での活躍が期待される若手選手「ダイヤモンドアスリート」に認定された。大学生としてのデビュー戦は9日の金栗記念選抜中長距離大会(熊本)の予定。「次は(3分)40秒切りを絶対に達成できるように、さらにスピードを磨いていきたい」と意気込みを示した。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕競技会で力走する佐藤圭汰(中央)=3月29日、東京・駒沢陸上競技場