遠かった初白星をつかみ、新庄監督はうれしそうな表情を浮かべて選手をベンチに迎えた。「みんなのサポートがあって勝ち取れたと思う」。札幌ドームでの1勝の味を、しみじみとかみしめた。 前日に25年ぶりの開幕5連敗を喫したチームが、この日は一変。理想とする足や小技を絡める攻撃で力を発揮した。三回は2死から松本剛が出塁し、二盗に成功。打席の近藤は「足で広げてくれたチャンス。何とか追加点を取りたいという気持ちだった」。内角球をうまくさばいて右翼線二塁打を放ち、リードを3点に広げた。 五回は無死一塁で、水野の犠打に失策が絡んで一、三塁と好機が広がると、松本剛が左前へはじき返して1点。連敗中はつながりを欠いていた打線が、やっと形になった。 敵地でも本拠地でも、開幕戦ではパフォーマンスで沸かせたが、試合は敗れた。今季はビッグボスが自ら提案した「ファンは宝物」がスローガン。サービスも必要だが、ファンにとっては勝利が一番の喜びだろう。 チームはまだまだ発展途上。シーズンで苦戦することは新庄監督も織り込み済みだが、「ここからですよ、選手たちは」。自らに言い聞かせるような口調で反攻を誓った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕開幕6試合目で初勝利を挙げ、喜ぶ日本ハムの新庄監督=31日、札幌ドーム 〔写真説明〕開幕6試合目で初勝利を挙げ、喜ぶ日本ハムの新庄監督(右)=31日、札幌ドーム