圧倒的な強さで頂点に駆け上がった大阪桐蔭の西谷浩一監督(52)は、晴れ晴れとした表情でナインをたたえた。「今年のチームは一生懸命やる子が多い。打てるチームではなかったが、大会の中で成長してくれた」。苦難と悔しさを乗り越え、言葉に実感を込めた。 今の3年生は、新型コロナウイルスの影響で甲子園大会が春夏とも中止になった2020年に入学。チームの一体感を生むための「大きな武器」と自負する寮生活はどうしても密になるため、新たな部屋を設けるなど対応に苦慮した。それでも選手の気持ちが切れないよう気配り。ノートや電話などを活用し、積極的に意思疎通を図った。 一歩グラウンドに出れば、強豪の誇りと意地を選手に植え付けた。昨年は春夏ともに早々と敗退し、「うまく導いてやれなかった」と自責の念に駆られた。主将の星子らが中心となる新チームでは「これで日本一になれるのか」「常に日本一の物差しで」と鼓舞。全ては甲子園で再び頂点に立つため。ウオーミングアップやキャッチボールにまで、質の高さを求めた。 4年ぶりの春制覇は自身の甲子園通算61勝目。尊敬するPL学園元監督の中村順司氏(58勝)を抜いて歴代2位に浮上しても、「自分の数字という気持ちは全くない。OBが頑張ってきてくれた数字なので素直に喜びたい」と謙虚に言う。おごらない姿勢で、これからも勝利へ導いていく。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕優勝を果たし、インタビューに答える大阪桐蔭の西谷監督=31日、甲子園