再びドネアと拳を交えることになった。井上尚にとって一度は決着した戦いだが、KOではなく12回判定勝ち。今年6月に決まった再戦を「13ラウンド目からの戦い」と位置付ける。 前回は2回にドネアが得意とする左フックを顔面に受け、右目を負傷。序盤で視界がぼやける厳しい展開を強いられながら冷静に対処してポイントを稼ぎ、採点結果は3―0の完勝だった。 この試合の11回には、左ボディーブローでダウンを奪った。ドネアはなかなか立ち上がれずKOかと思われたが、レフェリーは試合を続行して「幻の10カウント」に。井上尚は「次はそうはいかない。きっちりと10カウントを取ってみせる」とKO決着を狙っている。 今年40歳になるドネアは、「あの試合が僕を生き返らせてくれた」と言う。敗戦からおよそ1年半で世界王座に返り咲き、「自分のパフォーマンスも向上している」と自信を見せている。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ドネアとの王座統一戦が決まり、記者会見でポーズを取る井上尚弥=30日午後、東京都港区