大相撲春場所千秋楽から一夜明けた28日、初優勝を遂げた若隆景が堺市の荒汐部屋宿舎でリモート会見し、「少しずつ実感が湧いてきた」と喜びをかみしめた。 新小結だった昨年7月の名古屋場所は5勝10敗とはね返されており、「今回は絶対に勝ち越す」と強い決意で臨んだ新関脇の場所。持ち前の低い姿勢で攻める厳しい取り口で快進撃を続けた。 ともに敗れて迎えた優勝決定戦では、元大関の高安に土俵際まで攻め込まれながらも、強靱(きょうじん)な下半身を生かして逆転勝ち。「自分の相撲を取り切れた。下から前に出ようという気持ちがよかった」。充実の15日間を振り返った。 新関脇で12勝を挙げ、大関とりへの足掛かりをつくった。周囲の期待も高まるが、「来場所からが大事。しっかり稽古していきたい」。実直な27歳は、さらなる精進を誓った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕春場所で初優勝を果たし、一夜明け会見に臨む若隆景=28日、堺市(日本相撲協会提供)