2点リードの延長十回。R・マルティネスが試合を締めると、中日の立浪監督は両手をたたき、コーチらと握手した。4時間3分の熱闘の末に初勝利。ウイニングボールを手に「選手の力で勝たせてもらった。うれしい日」としみじみと話した。  前日は八回に3点差を逆転され、監督は「あしたやり返す」と雪辱を誓っていた。その言葉に呼応するかのようにチームは諦めなかった。  八回に2点差に迫り、九回には大島が同点打。十回は2四球などで2死満塁とし、溝脇が決勝2点打。ヒーローは「ベンチはいい雰囲気で、1点ずつ取りにいく姿勢が全員から出ていた」と胸を張った。救援陣は岩崎が負傷離脱し、連投のロドリゲスもベンチを外れていたが、昇格した橋本らの踏ん張りも大きかった。  中日は過去10年で8度Bクラスに沈んでいる。再建を託された新監督は、就任会見で「勝ちへの執念を植え付ける」と断言した。昨季は逆転勝ちがリーグで一番少なかったチームが、「ミスター・ドラゴンズ」の下、生まれ変わろうとしている。復権への一歩を刻んだ立浪監督は「きょうがスタート」。その言葉には実感がこもっていた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕初勝利を挙げた中日の立浪監督=27日、東京ドーム 〔写真説明〕9回、同点の適時打を放つ中日の大島=27日、東京ドーム
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 執念の逆転で初勝利贈る=立浪監督「うれしい日」―プロ野球・中日