馬力のある元大関を相手にしても、びくともしない。今の若隆景にはたゆまぬ稽古で培った「重さ」がある。「自分の相撲が取れている」。新関脇としてつかんだ価値ある10勝目。その引き締まった表情に、自信がみなぎっていた。 勢いよく頭から当たると、強烈におっつけて攻めた。高安の上体を起こして深々と2本差す。しっかり足を運び、体を預けるようにして寄り切り。「下から、よく攻められた」。力なく土俵下に転げ落ちた相手を、悠然と見下ろした。 昨年春場所から2場所続けて技能賞を獲得。低い攻めが審判部から評価された一方、立ち合いの変化を残念がる声もあった。しかし、今場所は細身の体に圧力が伴い、堂々たる戦いぶりが目を引く。八角理事長(元横綱北勝海)は「押し負けないところがいい。力がついたんじゃないか」と称賛した。 高安の独走を止め、4日を残してトップに並んだ。「残りはまだある。しっかり自分の相撲に集中していきたい」。福島県出身では半世紀ぶりとなる優勝への期待が、徐々に膨らんできた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕高安(左)を攻める若隆景=23日、エディオンアリーナ大阪