大関かど番の正代が息を吹き返しつつある。1勝5敗から4連勝。「いい流れが来ているので、崩さないようにできたらいい」。序盤戦はかすれていた声にも張りが出てきた。  この日はうまさに定評がある遠藤に対し、左差しを起点に圧倒。連敗中は弱々しかった立ち合いの威力もあり、狙われた前まわしを許さなかった。「思い切り踏め込めている」。自信とともに、本来の力強さが戻ってきた。  大関かど番の場所で初日から4連敗は、現行の制度では1992年九州場所の霧島(現陸奥親方)と並ぶワースト記録。この苦境から我慢強く勝ち星を重ねることで、相撲内容も上向いてきた。普段は後ろ向きな発言が目立つが、「初日が出たおかげで心に余裕ができ始めた。それが相撲に表れてきた」。冷静に自分と向き合うゆとりが生まれている。  強敵とぶつかる終盤戦へ、「周りは意識しないように、できる相撲を取り切ることに集中できたら」。消えていた覇気を取り戻し、大関として生き残りを懸けた戦いに臨む。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕正代(右)は遠藤を押し出しで下す=22日、エディオンアリーナ大阪
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 息吹き返した正代=4連勝で内容も上向き―大相撲春場所