今季のプロ野球は、3年ぶりに延長十二回制が復活する。新型コロナウイルスの影響で、2020年は延長十回、昨年は九回打ち切りだった。  12球団の監督で3年前の延長十二回制を経験したのは原(巨人)、辻(西武)、矢野(阪神)、井口(ロッテ)の4監督。最も長い経験を持つ原監督は「むしろそれが正常。違和感なく、逆算して戦いたい」と、どっしり構える。  最大3イニングの延長戦を見据え、辻監督は「先発が試合をつくり、7回を投げてくれれば一番いい」と話す。昨年のような早めの継投は、登板過多による救援陣の疲弊につながる。  七回から1人1回ずつという継投パターンだけでは戦えない。矢野監督は中継ぎ投手に「複数イニングいけるとありがたい」と望む。終盤の代打攻勢もかけにくくなり、投打とも交代のタイミングが難しくなる。  引き分けは昨年の102試合から、19年の22試合程度に激減しそうだ。昨年のセ・リーグは、引き分けが18試合もあった73勝のヤクルトが、77勝の阪神(10分け)を勝率で上回って優勝した。初めて延長十二回制で指揮を執る高津監督は「引き分けは確実に少なくなる。延長戦の対策を練りたい」と考えを巡らせる。  上限なしで観客を迎えるなど、プロ野球は本来の姿に戻ろうとしている。今年はどんなドラマでファンを沸かせるか。(了)【時事通信社】
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 3年ぶりに延長十二回制=采配変化、経験監督は4人―プロ野球