【シドニー時事】サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選で、日本は24日にシドニーでオーストラリアと対戦する。日本が勝てば7大会連続のW杯出場が決まる大一番だが、地上波などテレビ中継がない。視聴できるのは動画配信サービス「DAZN」の加入者のみ。過去6大会は本戦出場を決めた瞬間がテレビ中継されており、今回が初の事態になる可能性がある。 昨年9月に始まったW杯アジア最終予選は、放映権料の高騰を受けて、DAZNが放映権を取得。ホーム戦のみテレビ朝日系列でも中継されてきた。日本サッカー協会の田嶋幸三会長は2月上旬、「地上波でいろんな人が見られる環境は絶対に欠かせない。サッカー人口にも関わる」と話し、地上波の放送へ調整に乗り出す意向を示していたが、実現しなかった。豪州戦は、ラジオのニッポン放送では実況生中継される。 11月に開幕するW杯本大会も、放映権交渉が難航し、民放3局が撤退。主要カードはテレビでも見られるものの、新たに加わるインターネット配信サービス「ABEMA」が全64試合を無料生中継することになった。 Jリーグが2017年からDAZNと放映権契約を結んだのを契機に、国内のスポーツ中継はネット配信の存在感が増している。24日の豪州戦は、時代の潮流を象徴する一戦となるかもしれない。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕アウェーのオマーン戦でプレーする日本代表の伊東(左)=2021年11月16日、マスカット(AFP時事)