堀琴にとって、2勝目には特別な思いがあった。優勝回数で姉の奈津佳に追い付き、「2勝と1勝では響きが違う。やっと姉と並べたかな」。誇らしげな笑みを浮かべた。 単独首位で迎えた最終日。前半で二つ伸ばしたが、10番でボギー。西村や新鋭内田の追い上げを受ける中、やっと16番(パー5)で3メートルのバーディーチャンスにつけた。 「取れるのはここしかない。強い気持ちで打とうということだけ考えた」。これを沈めると、17、18番もパーセーブし、最後まで乱れなかった。 喜んだのは、病から復帰した大溝雅教キャディーと組んで初めて勝てたこと。男子の小平智を米ツアー優勝に導いたベテランは、2020年夏に胃がんが見つかって手術を受けた。病院へ見舞いに行った堀琴が掛けた言葉は「コースに戻ってこないと大溝さんじゃないよ」。復帰祝いを贈れた。 昨夏、やっとの思いでプロ初勝利。今季は安定感が光る。3戦計10ラウンドで、開幕戦(13位)の最終日以外は全てアンダーパー。前週は1打差の2位だった。「優勝しているから、と心のどこかに余裕ができた」。確かな変化を感じている26歳。3勝目も近そうだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕優勝し喜ぶ堀琴音=20日、鹿児島高牧CC 〔写真説明〕優勝し、笑顔で大溝雅教キャディー(右)と握手する堀琴音=20日、鹿児島高牧CC