新監督の下で臨む初めての甲子園。エースの宮城が鮮やかな完封勝利で、浦和学院の新たな一歩を刻んだ。 試合後の自己評価は「修正点がたくさん」と辛口。だが、実際の投球内容は完璧に近かった。許した安打は単打2本だけで、三塁は踏ませず。特に左打者の外角低めへの制球は抜群で、相手の先発に並んだ6人とも無安打に封じた。 左腕から投じる伸びのある速球と、緩急を効かせた変化球でバットに次々と空を切らせ、奪った三振は13個。「真っすぐの質という意味では、空振りが取れたのはよかったと思う」。最後は八回2死からの4者連続で試合を締めた。 2013年の選抜優勝など、浦和学院を強豪に育てた森士前監督が昨夏限りで退任。後任を務めるのが、長男の森大監督だ。宮城は「(選手と)同じ気持ちで戦おうと言ってくれる、心強い存在。一番身近で支えてくれた」。それに報いる快投で甲子園初勝利をプレゼント。31歳の青年監督を「エースの役割を果たしてくれた」と喜ばせた。 「真っすぐの出力、スピードはまだ上がる。ここで満足せず、どう勝っていくか」と宮城。生まれ変わったチームの強さを示すため、さらに上を目指していく。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投する浦和学院先発の宮城=19日、甲子園