引退の久保、恩人に感謝=若林仁さん、今後もエール―アイスホッケー女子
時事通信社 2022年03月17日 05:15:38
女子アイスホッケー界を長年引っ張ってきた久保英恵(39)が現役を引退した。2月の北京冬季五輪で日本は初の8強入り。久保はその原動力になった。自身3大会連続出場の五輪で燃焼した「レジェンド」。今月11日に勤務先の太陽生命(東京都中央区)で行われた慰労式の席上、恩人への思いを口にした。 「若林メルさんには感謝しかない」。カナダ出身の元アイスホッケー選手、「メル若林」こと若林仁さん(78)。1960~70年代、日本リーグ草創期に活躍した。久保が出会ったのはカナダでプレーしていた20代半ば。現地に住んでいた若林さんと食事を共にするなど、「お父さんのような存在」と慕っていた。 バンクーバー五輪出場を逃し2010年にいったんは現役を退いていた久保を日本代表に呼び戻そうと説得したのは、当時日本連盟副会長だった若林さんだ。カナダで見たプレーにほれ込んでいた。「日本で一番の選手。彼女がいないと五輪には行けないと思った」 熱意に背中を押され、約1年半ぶりに復帰。「決めた以上、メルさんの思い、日本代表への思いはしっかり結果に残さないといけないと思った。今までで一番努力した」。14年ソチ五輪に導き、その後も代表の中心であり続けた。慰労式後の夜、若林さんは久保と一緒に食事をし「戻ってきてくれて、僕の顔をつぶさないでくれてありがとう」と当時を懐かしんだ。 久保は指導者の道にも意欲をのぞかせ、「育成がすごく大事になってくる。裾野を広げるとともに小中高生を少しでも手助けしたいなと思っている」。若林さんもエールを送る。「海外経験が豊富で、五輪に3回も出ている選手は、なかなかいない。きっと教えられる」。近い将来、代表監督として「スマイルジャパン」をさらなる高みへ導く姿を思い描いている。(了)【時事通信社】
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