【北京時事】13日に閉幕した北京パラリンピックで、日本はメダル7個(金4、銀1、銅2)を獲得した。各種目のエースが活躍した一方、メダル総数は前回平昌大会の10個から三つ減り、獲得者数も4人から3人に。反転攻勢に向けて、人材発掘、若手育成が急がれる。 日本はアルペンスキーの女子座位で村岡桃佳(トヨタ自動車)が金3個、銀1個と期待通りの好成績。男子座位でも41歳の森井大輝(同)が5大会連続メダルとなる銅二つを獲得。距離スキーでも21歳の川除大輝(日立ソリューションズJSC)が20キロクラシカル立位で初優勝を果たした。 ただ、日本選手団にはベテランも多い。日本障害者スキー連盟の大日方邦子強化本部長は、後進の育成が新型コロナウイルスの影響もあって難航していると明かす。 日本選手団には、子どもたちを北京に招待し、パラリンピックの雰囲気を体験して夢を持ってもらおうという意見があった。「4年に1度のパラの舞台に立つ、という気持ちと憧れが(障害者スポーツに)エネルギーを注ぐ力になる」と大日方さん。しかし、厳格な感染対策が敷かれたため、実現できなかった。 そんな中、距離スキーに18歳の岩本美歌(北海道エネルギーパラスキー部)が出場した。村岡にしろ、川除にしろ、初出場のパラリンピックではメダルなしだった。悔しさを糧に成長を遂げた例は多い。岩本のような若手の登場は明るいニュースだ。 日本選手の中には、自身の経験を後進指導に役立てたいと考えている選手も多い。世界のレベルは年々進化する。開催国の中国は、今大会に向けた強化体制の改革で平昌大会のメダル1個から61個に躍進した。日本も世代交代を進め、新時代を切り開けるか。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕アルペンスキー女子座位で金、銀計4個のメダルを獲得した村岡桃佳=11日、中国・延慶