30歳の西木は驚きを隠さなかった。リーダーボードの一番上に名前があることに「信じられない」。7バーディーを奪い、ノーボギー。「公式の試合で自己ベスト」という65をたたき出した。 インから出て10番で8メートルのバーディーパットを沈め、「出だしで入ってくれて、落ち着いてできた」。アプローチもさえて12番まで3連続、後半も4バーディーを重ねた。 神戸市出身で、岡山・作陽高卒。2010年のプロテストに合格したが、なかなか成績を残せず、19年のフジサンケイ・レディースでの5位が目立つ程度。その大会で2位になり後に大ブレークした高校の後輩、渋野日向子らに先を行かれた。 20~21年シーズンのツアー出場はわずか1試合。それでも、クオリファイング・トーナメント(QT)で18位に入り、チャンスをつかんだ。前週の開幕戦は初日4位ながら第2日以降に後退。「まだ初日。頑張ろうと思い過ぎると、うまくいかない」。同じ轍(てつ)は踏まないつもりだ。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9番でバーディーパットを決めて笑顔を見せる西木裕紀子=11日、高知・土佐CC