会心のスーパーショットだった。17番(パー4)、渡辺彩香の第2打。残り102ヤードから58度のウエッジで放った一打がピンに向かい、グリーンでカップに吸い込まれた。 鮮やかなイーグルで通算10アンダー。このホールをボギーとした同組の黄アルムに並んで首位に浮上。「すごく大きなショット」と実感を込めた。 続く最終18番(パー5)では、第2打がバンカーへ。このピンチを巧みに切り抜けた。壁のようなあごをパターの左打ちで避け、再びバンカーからの第4打をグリーンに乗せると、3メートルのパーパットを落ち着いて沈めた。「(第2打の)失敗を引きずらずに集中して、いい切り替えだった」と納得の表情を浮かべた。 前半はショットが安定せずに我慢のゴルフ。一時は黄の独走気配だったが、試行錯誤しながら後半途中でようやく重心などの感覚が合ってきた。「ラウンドの途中で悪いところを修正できた」 直近の勝利は2020年6月。4位で出た最終日に、プレーオフの末に勝った。「あの時は自分に期待していなかった。今回は優勝を意識したラウンドになる」。重圧にも向き合い、自身の成長を証明するつもりだ。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕第3ラウンドの4番、パーパットを決める渡辺彩香=5日、沖縄・琉球GC