【ニューヨーク時事】ロシア軍によるウクライナ侵攻は、スポーツ界も一変させた。国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアと同盟国ベラルーシの選手らを国際大会から除外するよう勧告。多くの国際競技団体がこれに従った。ロシア出身の選手たちは、厳しい状況の中で複雑な思いをにじませている。  世界選手権を今月控えるロシア・フィギュアスケート連盟は、出場禁止措置を「差別的で、国際的な五輪運動の基本原則と著しく矛盾する」と批判した。フィギュアのロシア勢は、北京五輪で最も多くのメダルを獲得。強豪国の不在は競技自体にも大きな影響を及ぼす。  2006年トリノ五輪男子金メダルのエフゲニー・プルシェンコ氏は、SNSで「スポーツと政治を混同してはいけない」と主張。ただ、平和を願ったメッセージにはプーチン大統領への信頼も記し、批判の声が相次いだ。  北米アイスホッケーリーグ(NHL)のアレクサンドル・オベチキン(キャピタルズ)も、プーチン氏の熱心な支持者として知られる。ツーショットをSNSに投稿し、「プーチン・チーム」として選挙を盛り上げたことも。今回の侵攻には「戦争はいらない」と口にしたが、米メディアに大統領を支持するかと問われると、「私は政治家ではなくアスリート」と言葉を濁した。家族はロシアで暮らしているといい、難しい立場がのぞく。  男子テニスのダニール・メドベージェフは、母国が軍事攻撃を開始した直後の試合で「今、テニスは重要なことではない」と表情を曇らせた。混乱の中、先月末に自身初の世界ランキング1位となったが、SNSには「複雑な心境だ」とも。テニスの主要団体は、国名や国旗の使用を禁止した上で、ロシアとベラルーシの選手に個人として大会出場を認める方針を示している。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ソチ五輪フィギュアスケート男子で金メダルに輝き、プーチン大統領(左)から表彰されるプルシェンコ=2014年2月(AFP時事) 〔写真説明〕ロシアの男子テニス選手、メドベージェフ=2月、メキシコ・アカプルコ(AFP時事)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 スポーツ界、複雑な立場で平和願う=西側諸国でプレーのロシア勢 」