ウクライナ選手団が4番目に入場すると、会場から温かい拍手が湧き起こった。母国がロシアによる侵攻を受けている中での出場。選手たちに笑顔はなく、硬い表情を崩さないまま行進した。 選手団は介助者やスタッフを含めて総勢54人(選手は20人)。航空機で北京入りする予定だったが、侵攻によって空路が閉ざされた。バスで何日もかけ、ようやくたどり着いた。ウクライナ・パラリンピック委員会のスシュケビッチ会長は「ここに来られたのは奇跡だ」と言った。 ウクライナ勢最年長の43歳でバイアスロンに出場するビタリー・ルキヤネンコは、妻と娘と連絡が取れない状況が続いている。広報担当者は「このような話があまりにたくさんある。誰もが不安を抱えている」と状況を明かす。 戦争反対への強い意志を示したのか、左手の拳を突き上げて進む車いすの選手もいた。想像を絶する苦しい状況の中、競技に臨む。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕開会式で入場行進するウクライナ選手団=4日、北京(EPA時事) 〔写真説明〕開会式で入場行進するウクライナ選手団=4日、北京(AFP時事)