【ロンドン時事】ロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、スポーツ界でロシア勢を排除する動きが強まっている。対戦拒否や大会からの除外に踏み出す競技団体が出てきた。ロシアのアスリートが力を発揮する国際舞台は失われ始めている。 ポーランド・サッカー協会のクレシャ会長は、3月24日に予定されている2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会欧州予選プレーオフでロシアとの対戦を拒否すると表明。ロシアが勝ち上がると同29日にスウェーデン―チェコの勝者と当たるが、ロイター通信などによると、両国の協会もロシア戦を拒む意向を示した。他の競技でも今後、同様の動きが広まる可能性がある。 ノルウェー・スキー連盟は、同国で開催されるW杯などの大会にロシア選手の参加を望まないとの声明を発表。バスケットボール男子では、ロシアの軍事侵攻を支持しているとして、英国が28日に同国内で対戦予定だったベラルーシ代表チームのビザを取り消した。デンマーク・オリンピック委員会・スポーツ連盟のナトルプ会長も「ロシアとベラルーシは、全ての国際スポーツから排除されなければならない」と訴えた。 ウクライナでの戦闘が激しさを増す中、スポーツ現場からロシア勢を締め出す流れは避けられそうにない。ただ一方で、スポーツと政治を切り離すべきだとの声もあり、戦争反対を訴えるロシア選手もいる。 26日までアラブ首長国連邦で行われた男子テニスのドバイ選手権でシングルスを制したルブレフ(ロシア)は、準決勝の後、テレビカメラのレンズに「戦争はやめて」と記し、平和への思いを表現した。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会欧州予選のスロバキア戦でプレーするロシアのスモロフ(右)=2021年10月8日、ロシア・カザン(AFP時事)