重かった扉をようやくこじ開けた。6度敗れた決勝の舞台で三菱重工浦和が初の皇后杯タイトルを獲得。2021年から指揮を執る楠瀬監督は「我慢比べかなと思っていた。何とか取れてよかった」と選手をたたえた。 互いに慎重さが目立った前半とは一転、後半は序盤から三菱重工浦和が主導権を握った。試合が動いたのは22分。右サイドからのクロスをエースの菅沢が右足ボレー。「1回目の好機を外していたので、決められてよかった」。喜びを爆発させた。 守備陣の集中力も光った。今大会を通じて失点はゼロ。千葉を相手にも安藤と柴田の両ボランチを中心に、ピンチの芽を摘んだ。39歳の安藤は「我慢の時間が長かったが、一つになって戦えたのが勝因」と胸を張った。 男子の天皇杯を制したJ1浦和に続く栄冠。息つく間もなく、来月5日にはWEリーグが再開する。柴田は「リーグはリーグ。浮ついた気持ちが入らないようにしたい」と切り替える。昨季のなでしこリーグ覇者は新たな勲章を弾みに、WEリーグでも初代女王を目指す。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、先制ゴールを決めて喜ぶ三菱重工浦和の菅沢=27日、京都・サンガスタジアム by KYOCERA 〔写真説明〕前半、ボールをキープする三菱重工浦和の安藤(中央)=27日、京都・サンガスタジアム by KYOCERA