日本ハムの新庄監督は、オープン戦初戦でベンチに姿を見せなかった。采配をエース上沢に託し、試合中盤からは近くのホテルから戦況を見守った。前代未聞の行動には、選手の視野を広げる意図があったようで、上沢は「全体の流れを把握しないといけない。すごく難しいなと思った」。そう実感を込めて話した。 スタメンも決めた上沢は、先発して1回を投げた後、「指揮官」の役割を担った。昨年は主に1番を打った25歳の浅間は、そこを任される選手になってほしい気持ちを込めて3番に据えた。捕手登録の郡にも三塁を守らせ、随所に若手へのメッセージを込めた。 新庄監督は、0―5で完敗した試合後に、選手全員に坂道ダッシュを課した。敗戦の責任を共有させたかったようで、林ヘッドコーチは「メンバーの一体感を出すためのものだったと思う」と説明した。 これまで見せてきた型破りな方法にも、新庄監督なりの考えがある。上沢は充実した表情で「役割が変わると、こんなに野球の見方が変わるんだと思った」。方法は特殊だが、確かに選手の意識改革は進んでいる。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕DeNAとのオープン戦初戦を前に練習を見守る日本ハムの新庄監督(上)=26日、タピックスタジアム名護 〔写真説明〕監督の役割を務める日本ハム先発の上沢(中央)=26日、タピックスタジアム名護