選手同士も待ちに待った一戦。「因縁」の一言では片付けたくないだろう。五輪史上初の決勝進出を果たしたカーリング女子の日本代表、ロコ・ソラーレ。金メダルを懸けて戦う相手は前回の2018年平昌五輪でし烈なメダル争いを展開した英国に決まった。 決勝を翌日に控えた19日、スキップの藤沢五月選手(30)は「4年前の試合からお互いに五輪への思いを強く持っていた」と語った。平昌大会の3位決定戦。英国は1点を追う第10エンドを有利な後攻で迎えたが、逆転を狙った最終投は日本のストーンを円の中心に寄せてしまう痛恨のミスショット。スキップのイブ・ミュアヘッド選手(31)は「つらかった。このことがずっと頭から離れない」と悔しさを持ち続けた。 勝った日本側にもあの時の記憶は深く刻まれている。今回、決勝の相手が英国に決まり、サードの吉田知那美選手(30)は「生きていたら、こんなことがあるのだな」と感慨を口にした。「ミュアヘッドは、あの一投で苦しんできたと思う。私たちも勝ち心地が良かったかと言われたら、そうではなかった」 日本は昨年12月の五輪最終予選でミュアヘッド選手のチームに黒星を喫し、今大会の1次リーグでも完敗した。それでも18日の準決勝で世界選手権覇者のスイスを倒して波に乗り、重圧に苦しんでいた藤沢も復調。今度は自信を持って臨める。 「次は金メダルを懸けて戦える。4年間、お互いが頑張り続けたご褒美だと思う」と吉田知選手が言えば、ミュアヘッド選手もスウェーデンを破った準決勝後に「あの一投がまたくることを期待している」。泣いても笑ってもあと1試合。最高の舞台で互いの集大成をぶつけ合う。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕カーリング女子決勝を翌日に控え、練習する藤沢(手前)ら=19日、北京 〔写真説明〕平昌五輪カーリング女子3位決定戦で英国を破り、喜ぶ日本チームの(左から)鈴木、藤沢、コーチのリンド氏、吉田夕、本橋、吉田知=2018年2月24日、韓国・江陵