攻守でアグレッシブに―。名古屋の選手たちは、長谷川新監督が掲げるサッカーを存分に見せつけた。激しいプレスで主導権を握り、優勝候補の神戸を2―0で撃破。指揮官は「最後までチャレンジし続けてくれた。ホームで開幕戦で最高なスタート」とたたえた。 前半23分に仙頭のシュートのこぼれ球を稲垣が詰めて奪った先制点は、敵陣でのマテウスの寄せが起点。新主将の稲垣は「全員が一つの方向を向いてやれた結果の得点」と感謝した。 チームは昨季、リーグ屈指の堅守を誇った一方で得点不足が響き5位。優勝を目指す上で、監督は全ポジションに前への意識を徹底させた。後半序盤の相手オウンゴールによる2点目も、左サイドのマテウスの背後を狙ったクロスが呼び込んだ。 キャンプ中に複数のコロナ陽性者が出た影響で、練習試合は3度のみ。実戦不足の中でも確かな積み上げを示し、稲垣は「100点ではないがやりたいことが出せた」。昨季のようなACLに伴う連戦もない今季。名古屋が面白い存在になりそうだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、競り合う名古屋のマテウス(左)と神戸の槙野=19日、豊田スタジアム