15日に行われたスピードスケート女子団体追い抜き決勝で、日本は連覇にあと一歩まで迫った。最後のカーブで転倒し、無念の涙を浮かべた高木菜那(日本電産サンキョー)。妹の高木美帆(日体大職)と共に優しく迎えたのは、押切美沙紀(富士急)と佐藤綾乃(ANA)だった。  押切は菜那と同学年。小学生の頃から同じスケートクラブに通った仲でもある。前回の平昌五輪は団体追い抜きメンバー争いに敗れ、今大会は控え。1レースも出られなかったため、メダルをもらうことができなかった。それでも、複雑な思いを胸にしまい、悲しみに暮れる菜那を笑顔で抱き締めた。  美帆の2学年下の佐藤は、平昌五輪でも高木姉妹と決勝で滑った。「先輩で壁があって踏み込めない」と遠慮がちだったが、ナショナルチームで年間300日以上を一緒に過ごすことが当たり前になると、団体追い抜きの欠かせない存在に。佐藤はここまでの歩みを振り返り「どうすれば強く、速くなれるか。試行錯誤した時間を共有できたことが宝物」と実感を込める。  決勝レースの敗戦後。4人はコーチらと円陣を組み、菜那の痛みを分かち合った。「最前線で戦い続けられたのは自分たちの強さの証し」と高木美。最高の結果ではなかったが、確かな成長と絆を確かめ合えた銀メダルになった。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スピードスケート女子団体追い抜き決勝で、転倒した高木菜(中央手前)を励ます押切(左)、佐藤(中央奥)、高木美=15日、北京
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 団体追い抜き銀メダル、絆の証し=姉妹支えた押切と佐藤〔五輪・スピードスケート〕