【ニューヨーク時事】北京五輪に参加しているフィギュアスケート女子で15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=ROC)をめぐるドーピング問題で、昨年12月に採取した同選手の検体から、心臓の治療に用いる3種類の物質が検出されていたと15日、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が伝えた。 問題となった禁止薬物トリメタジジン以外の2種類は、禁止リストに入っていないL―カルニチンとハイポクセン。ワリエワは検査の際に提出する書類で、この2種類と免疫力向上を目的としたサプリメント「スプラディン」の使用を申告していたという。 米国反ドーピング機関(USADA)のトラビス・タイガート最高責任者は、「持久力を高めて疲労を軽減し、酸素を効率的に取り込むことを狙った組み合わせに見える」と指摘。L―カルニチンは点滴などによる大量摂取は禁止されており、過去には米国の陸上指導者アルベルト・サラザール氏が、選手への投与方法の違反で処分を受けた。 ワリエワ側はトリメタジジンに陽性反応を示したことについて、祖父の心臓病の薬を誤って摂取したと主張していた。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ選手=15日、中国・北京