◇復帰の鈴木に期待  【鹿島】クラブ初の欧州出身監督、バイラー氏が就任し、名門が変革に踏み出す。ただし、新型コロナウイルスの影響で合流が遅れており、当面はこれまでの戦い方がベースになるか。  補強の目玉はベルギーから約2年半ぶりに復帰したFW鈴木。2016年のJ1年間優勝や18年ACL制覇を経験しており、得点力はもちろん、チームの精神的支柱としても期待が大きい。レオシルバが抜けた中盤には、キックに長けた樋口らが加わった。  不安があるのはDF陣。町田、犬飼が移籍したセンターバックは金眠泰と関川のコンビが有力だが、控えも含めて連係の構築が不可欠だ。  ◇課題は攻撃力  【福岡】J1に復帰した昨季はクラブ最高の8位。就任3年目の長谷部監督の下、定着を目指す。  大きなメンバーの入れ替わりはない。FWを含めた全員が連動した堅守を軸に、攻撃面でのレベルアップが課題となる。  補強の目玉はJ2得点王のルキアン。得点パターンが豊富で、決定力に期待がかかる。スピードが武器の田中も獲得。昨季終盤には3バックを導入して手応えをつかんでおり、戦術の幅も広がった。  懸念材料は、キックの精度が高く、セットプレーの起点にもなった右サイドバックのサロモンソンの移籍。守備に定評のある湯沢、横浜Cから加入した前嶋が活躍できるか。  ◇強さ復活なるか  【G大阪】昨季は新型コロナウイルスの影響を受け、開幕直後からピッチでの方向性を見失い、13位に終わった。チーム全体が「強いガンバを取り戻す」と巻き返しに燃える今季。OBで、大分をJ3からJ1に引き上げた実績を持つ片野坂新監督を迎え、立て直しを図る。  昨季は攻守のバランスが崩れ、リーグ戦33得点49失点。指揮官は「50得点以上40失点以下」と目標値を設定。手慣れた3バック布陣の攻撃的サッカーを浸透させる方針で、昨季6得点のFW宇佐美の復活は不可欠になる。新監督が得意とする後方から攻撃を組み立てるスタイルを確立できるかも、浮上のカギを握る。(了) 【時事通信社】
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 2022年、J1戦力分析(3)