スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢(TOKIOインカラミ)が、12日の記者会見で採点について言及し、「全部を計れる新たなシステムを整え、しっかり評価してジャッジすべきだと思う」と述べた。技によって何点といった明確な基準や決まりがない現状に疑問を投げ掛けた。 11日の決勝2回目で、平野歩は出場者で一人しか決めていないトリプルコーク1440(縦3回転、横4回転)など高難度の技を5本並べたが91.75点にとどまり、スコット・ジェームズ(オーストラリア)に及ばず2位だった。この採点には会場を訪れた各国の関係者たちが強く反応し、ブーイングまで起きた。 平野歩が逆転した3回目も、構成は2回目と同じ。完成度が上がったとはいえ、4.25点高い96.00点が出た。頂点に立っても喜ぶだけではなく「(2回目は)どこを見たのかという説明は聞くべきだと思う。競技する人は命を張ってリスクを負っている。選手たちのために整理した方がいい」との思いが残る。 スノーボードは自由さや、選手独自の「スタイル」を見せることも魅力だが、採点基準を設ければ、競技としては分かりやすくなる。高得点が出るかどうか手探りの中で、危険を伴う高難度の技に頼る状況は変わるかもしれない。 平野歩は「大会と大会じゃないものを切り分けた上で、(採点基準を)しっかりするべき時代になってきたという気がする」。選手、そして競技の進むべき方向を案じ、明確な採点基準を求める。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕金メダル獲得から一夜明け、記者会見するスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢=12日、張家口