広島の堂林が初の紅白戦で存在感を示した。「4番一塁」で出て2安打1打点。一回はカットボールを中前へ運び、三回無死一塁では右中間を破る適時三塁打。中堅から右方向への快打に「昨年はなかったような、理想の打球を打つことができた」とうなずいた。 昨季は1軍に定着できず、出場70試合で本塁打なしの不本意な成績に終わった。今季は鈴木誠が抜けて不動の4番が不在となった状況で、キャンプ序盤に松田オーナーから「4番を打て」と激励された。 本人も思うところはある。「オーナーにはいつも気に掛けてもらって、期待をずっと裏切ってきている。タイミング的にも良い時期。意気に感じてやりたい」。再起を期す13年目の決意がにじむ。 最優先になるのは出場機会を増やすこと。「昨年は引っ張った打球で自分で自分を駄目にしていた」と反省し、今キャンプは中堅方向への打球をテーマに取り組む。「4番はなかなか軽々しく言える打順でもない。自分のやるべきことをやって、最終的に」。胸の奥にある闘志が言葉に表れた。(日南) 【時事通信社】 〔写真説明〕紅白戦で適時三塁打を放った広島の堂林=11日、宮崎県日南市